土木遺産とは

■土木遺産とは?
土木遺産とは、現存する明治時代から昭和の初期につくられた生活基盤施設のことで、それらの多くは先人の偉大な発想や様々な苦労の末につくられ、私たちの生活に大いに役に立ちました。もちろん、今も現役でがんばっているものもありますし お役ご免でそのまま残されているもの、歴史的に文化財として保存されているものもあります。それらは、新たに人々の交流や物流を生み出し、地域産業の発展や生活文化の形成に大きな影響を与え、私たちの暮らしを支え続けてきました。こうした歴史的に国土や地域に貢献した土木施設を我々共有の財産と位置づけ、”どぼくいさん”と呼んでいます。

■土木遺産を選奨する活動の紹介
活動の主体となっているのは、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指して、1914年に社団法人として設立された土木学会という技術者コミュニティです。

土木学会では、施設ができた当時のすばらしい技術や知恵、あるいは多くの人たちの努力を顧み、敬意を表して、これらを私たち共有の財産として評価し、保全・活用を図るための活動を行っています。

その主な活動として、選奨土木遺産という表彰制度があります。これは、歴史的土木構造物の保存に資することを目的として創設された制度で、平成12年度より各支部からの推薦に基づいて、銘板と認定書の授与を行っています。また、これらの活動を通じて以下の3つの事項が促されることも期待しています。
(1)社会へのアピール
土木遺産の文化的価値の評価、社会への理解等
(2)土木技術者へのアピール
先輩技術者の仕事への敬意、将来の文化財創出への認識と責任の自覚等の喚起
(3)まちづくりへの活用
土木遺産は、地域の自然や歴史・文化を中心とした地域資産の核となるものであるとの認識の喚起

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2003年に選奨された柳ヶ瀬隧道に設置された銘板

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認定書

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