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2020年度 土木学会関西支部地域活動賞を決定しました

 土木学会関西支部地域活動賞は、土木学会関西支部の活動圏内(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県、福井県)において、土木学会員をはじめ一般市民や学校・自治体・企業等の団体が土木を通じて地域や関西支部の活動圏に貢献している活動等(地域活動)を顕彰し、土木に対する意識の高揚を図ることを目的として、2020年度から新たに設けられた表彰制度です。

 初年度の2020年度は19件のご応募をいただき、選考の結果、7件を地域活動賞として決定しました。
 地域活動賞の表彰は、2021年5月21日にドーンセンター(予定)で開催される「土木学会関西支部第94回支部総会」で執り行われ、受賞者には楯を授与いたします。

 なお、掲載の記事・写真・図表の著作権は、受賞団体および公益社団法人土木学会関西支部に帰属します。

地域活動賞

【対象活動】
泉佐野丘陵緑地における新しい公共への取り組み

パーククラブと大輪会による竹林整備

【活動実施者】
大阪府営泉佐野丘陵緑地
【主な活動地】
大阪府泉佐野市
【活動内容】
 泉佐野丘陵緑地では、21世紀にふさわしい新しいタイプの公園づくりを目指し、計画段階から整備・管理運営まで地域や企業など多様な主体と連携しながら公園づくりを行っている。状況に応じて関係者が運営審議会で協議し合意形成を図りながら公園の方向性や計画を作る、「シナリオ型」の公園づくりが特徴である。運営審議会には、学識経験者やボランティア団体「パーククラブ」、企業グループ「大輪会」、地元市が参加している。

地域活動賞

【対象活動】
シビル・ベテランズ&ボランティアズ(CVV)

「ぶら・土木」との協働による橋巡り

【活動実施者】
シビル・ベテランズ&ボランティアズ
【主な活動地】
大阪府大阪市
【活動内容】
 シビル・ベテランズ&ボランティアズ(CVV)は1996年に関西在住の土木技術者により構想され、シニア技術者の土木分野での社会貢献を目指して継続的に活動してきた。近年は、2016年度から2年間、土木学会関西支部共同研究グループとしての支援を受け、おもに、1.定例会・見学会等定期的なメンバー交流、2.浪速の名橋50選(追補を含む)の選定と活用、3.自治体への支援や他学会・他グループとの交流などの活動を実施している。活動内容をウェブサイトで広報するとともに、学会誌への投稿や年次学術講演会での発表を通じて情報発信に努めている。

地域活動賞

【対象活動】
笑働の森づくり活動

間伐作業(左上)、エリア内に制作した展望台(右上)、地域イベントでの箸づくりワークショップ(左下)、近隣園児による自然体験学習会の様子(右下)

【活動実施者】
大阪府鳳土木事務所
【主な活動地】
大阪府和泉市槇尾山町
【活動内容】
 「笑働の森づくり活動」は、建設中止となった槇尾川ダム事業予定地で、2012年4月から地域振興を目的に産・官・学・民が協働して、「森をつくる」「森を使う」「森を見直す」それぞれのコンセプトに応じた活動を展開している。これまでに87回実施(のべ5,000人参加、主な参加者:大阪府大高専、桃山学院大学、大阪府立大学、大阪産業大学など)し、参加者が提案して四季や地域イベントに併せたワークショップなどを行っている。

地域活動賞

【対象活動】
天神祭 船渡御

船渡御と奉納花火 河川敷の公園は人で埋まっている

【活動実施者】
大阪天満宮、天神祭渡御行事保存協賛会
【主な活動地】
大阪府大阪市
【活動内容】
 天神祭では、年に一度、大阪天満宮の主祭神である菅原道真の御霊を御鳳輦という輿にお乗せし、氏地を巡行する。天神祭のクライマックスである船渡御の舞台となる大川(旧淀川)では、両岸に集まる100万人を数える人出の中、100隻を超える船による船渡御が行われる。都市祭礼でありながら、水辺への集客を通じ、人々に水辺に親しんでいただくと共に、治水事業の大切さや河川敷公園の維持管理などをアピールする場として効果が期待できる行事である。

地域活動賞

【対象活動】
阪神・淡路大震災の経験の伝承と防災啓発・被災地支援活動

修学旅行生と震災遺構巡り(神戸港震災メモリアルパーク)

【活動実施者】
神戸防災技術者の会(K-TEC)
【主な活動地】
兵庫県神戸市
【活動内容】
 当会は、震災の経験や教訓を伝承するために神戸市職員とOB・OGにより2004年に設立された。自治体、学校、地域で防災・減災の重要性について講演する他、全国から訪れる修学旅行生に対し、震災の遺構を巡る街歩きや災害対応ゲームを通じて「神戸で学ぶ防災学習」を実施している。また、東日本大震災等の被災地の支援も行っている。写真は、修学旅行生の街歩きコースとなっている「神戸港震災メモリアルパーク」である。震災当時の市長笹山幸俊氏の発案により、目に見える形で震災を後世に伝えるため、被災部を当時のまま保存している。

地域活動賞

【対象活動】
琵琶湖疏水鴨川運河の魅力発見

鴨川運河ツアー

【活動実施者】
鴨川運河会議
【主な活動地】
京都府京都市
【活動内容】
 鴨川運河は日常的な場を形成する基盤となっている土木遺産である。しかしながら鴨川運河は経年的危機を抱えており,特に人道橋の老朽化が激しいため,この地域資源としての魅力を,かけがえのない存在へと認識を高める必要がある。そこで,運河及びその周辺を個性的な地域資源として捉え,現在暮らす人々にとってのより良い活用方策を考えることを目的とした「鴨川運河会議」を2015年に設立した。写真にあるウォーキングツアーなど様々な活動を行い,鴨川運河の認知度,理解の向上に貢献している。

地域活動賞

【対象活動】
理科特別授業による継続的な土木普及活動

活発な児童たちの授業風景

【活動実施者】
株式会社竹中土木 大阪本店
【主な活動地】
大阪府大阪市
【活動内容】
 竹中土木は地域社会の持続的な発展に寄与したいと考え、大阪市教育委員会の理科特別授業を通じた土木普及活動に12年間継続し取組んでいる。小学6年生を対象にした授業では、地震や液状化現象の仕組みについてクイズを交えた説明や、児童全員に液状化再現キットを配布しボトル内部で起こる砂と水の変化を体感できるよう工夫している。また、講師の工事経験を通じてものづくりのやりがいを伝えることで、土木への興味関心を高めるとともに、児童が夢や将来の仕事を意識するきっかけの場となる活動となっている。

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